12月5日 アスベスト110番(アスベスト(石綿)健康被害についての緊急電話相談会)実施の御案内
12月5日土曜日の10時~16時の間に、アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団による、アスベスト(石綿)健康被害についての緊急電話相談会(アスベスト・じん肺110番)を開催いたします。
愛知、岐阜、三重の弁護士が無料で電話相談に応じます。また、アスベスト疾患やじん肺に詳しい医師も相談に応じ、詳しい医師や病院を紹介します。
電話相談では、アスベスト・じん肺被害の救済手続きに関する弁護士・医師からのアドバイスを、電話で聞くことができます。
110番の電話番号は052-331-9054となります。
以下、アスベスト健康被害についての緊急電話相談会の開催趣旨の詳細と、電話相談で確認可能な内容等をお伝えいたします。
1 相談日時・電話番号
受付日時 :令和2年12月5日(土)午前10時~午後4時
電話相談番号:052-331-9054
(金山総合法律事務所の電話番号です)
主 催 :アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団
2 相談可能な内容について
アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団では、東海地方でのアスベストの被害救済が行われるように、上記日時に電話相談会を開催し、厚労省から個別通知を受け取った方をはじめ、アスベスト被害に遭われた方からの、救済手続き等に関する相談を受け付けさせて頂きます。
アスベストによる健康被害を受けられた方々やその遺族の方々におかれまして、法的救済を受ける方法が難しいと感じていたり、そもそもどのような救済方法があるかわからないという際には、この機会にぜひご相談ください。
3 実施の趣旨
(1)アスベスト工場での作業に従事した方の健康被害救済
国は、昭和33年5月26日から昭和46年4月28日までの間にアスベスト工場内で働いたことにより健康被害を受けた方に対して、訴訟上の和解によって、国家賠償を行っています。
厚生労働省により、2020年3月に、厚労省は、アスベスト(石綿)訴訟の和解手続に向けて損害賠償対象となる被災者に対し、全国に81通、そのうち愛知県4通、岐阜県4通、三重県0通の個別通知を送付しました。
同通知は、2014年10月19日の大阪泉南アスベスト訴訟の最高裁判決を踏まえて、2017年10月から順次に被災者に送付されています。2020年3月現在の累計数は、2,228通、そのうち、愛知県47通、岐阜県119通、三重県4通(3県で計170通)です。
しかし、通知後に裁判を起こしたのは全国で約876人(2020年4月末)、対象者2,228人の39%にとどまります。
当弁護団では、東海3県の健康被害についてこれまで32件の国賠訴訟を提起し、和解により被害者やご遺族に賠償金をお届けしました。しかし、東海3県には、国家賠償の対象となるアスベストを扱っていた日本アスベスト竹鼻工場(ニチアス(株)羽島工場)の他、多くの労働者の方がアスベスト疾患の労災認定を受けた工場が存在しており、救済の必要のある方が、現在も多数おられることが予想されます。
(2)建設現場での作業に従事した方の健康被害救済
厚生労働省が発表している「令和元年度 石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況まとめ(速報値)」によると、建設業が58.7%と、もっとも多くのアスベストの被害者の方が多いという状況です。
これは、建材にアスベストが大量に使われていたこと、国の住宅政策等による建設需要により多くの建設作業従事者が建設作業中にアスベストに曝されたためです。
現在、アスベストの危険性を認識していながらその危険性について警告することもなく甚大な被害をもたらした国と建材メーカーへの責任を求める訴訟が全国で提起されています(建設アスベスト訴訟)。すでに全国各地6件の高等裁判所判決が出ており、令和3年早々にも最高裁判決が出されると予想されています。
なお、6件の高裁判決中5件で、一人親方にも国の権限不行使に基づく損害賠償責任が肯定され、また、建材メーカーに対する責任も認められています。
東海3県においても建設アスベストによる被害者が多くおられますが、国や建材メーカーに対する損害賠償請求が行われていることについての周知は不十分な状況です。
(3) 情報提供の場としての電話相談会
アスベスト健康被害についての国や企業への損害賠償請求については、そもそも法的に請求が可能かどうか等の情報提供が不十分な状況であり、また、損害賠償請求には訴訟提起を念頭に置く必要があることから、弁護士による支援が不可欠と考えられます。また、現在症状がない方でも健康診断を定期的に受けられる制度があり、その時々で適切な救済手段を検討する必要があります。
そこで、アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団は、東海3県にお住まいの方を対象に緊急の電話相談会を開催することといたしました。
なお、アスベスト工場での作業や建設作業にかかわった方のみならず、アスベストの健康被害に関する相談を受け付けます。当日は、弁護士だけでなくアスベスト疾患に詳しい専門医も電話相談に応じます。
また、炭鉱、鉱山、トンネル工事、窯業関係で作業した方々の中には、大量の粉じんを吸い込んだことにより、肺の組織が硬化するじん肺を発症される方もおられます。当弁護団では、じん肺に関する健康被害の救済にも取り組んできておりますので、じん肺についての相談にも応じさせて頂きます。
(4)当弁護団の和解実績
当弁護団は、愛知県、岐阜県、三重県において、アスベスト被災者の被害救済に取り組んでいます。たとえば労災申請の方法や石綿救済法に基づく申請の方法、それにアスベスト被災の原因を作った元勤務先企業に対する損害賠償請求などによる、アスベスト・じん肺の健康被害の救済に取り組んでいます。
また、上述の国に対するアスベスト訴訟の和解手続については、損害賠償対象となる被災者の方から依頼を受けて、訴訟提起をして国との和解手続を進めております。それに、個別通知を受け取っていない被災者の方から相談を受けて、労災の認定を受けた後に、国と和解を進めている事案もございます。個別通知を受け取っていない方でも、病気の原因がアスベストと思われる方で、救済手続について聞いてみたいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
4 アスベスト被害救済等についての説明
アスベストは戦後の高度経済成長期に大量輸入・大量使用され、建材等のみならず、思いもかけないような多くの場面で使用されてきました。誰もがどこかでアスベストにばく露された可能性があり、アスベストにばく露された人は膨大な数にのぼります。また、石綿関連疾患の中皮腫は、潜伏期間が30年あるともいわれ、今後も重篤な被害を受けて救済を必要とされる方の数は増加していきます。
救済手段としては、先に述べた国や建材メーカーへの訴訟提起の他、雇用主への訴訟提起、労災申請(労働者や、特別加入の一人親方)、石綿救済法に基づく救済(アスベスト工場の近隣住民等の労働者以外の方)、健康管理手帳の取得(労働者で健康被害がまだ出ていない方)等があります。
アスベストによる健康被害は、①肺がん(石綿肺所見等のあるもの)、②中皮腫、③びまん性胸膜肥厚、④良性石綿胸水、⑤石綿肺です。救済を受けるには、アスベストによる健康被害である事を立証する必要があります。病態は様々なためにアスベスト関連疾患の専門医でなければ判断がつかない微妙なケースもありえ、アスベスト疾患の専門医による支援も不可欠です。当弁護団は専門医の協力を得ながら、適切な救済を受けられるよう支援を行います。
※なお、もし上記日時でご相談のご連絡が難しいという場合におきましては、当事務所の弁護士もアスベストに関する法律相談を受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
当事務所の電話番号は、052-684-5351です。
また、当事務所へのメールによるお問い合わせは、下記URLよりご連絡ください。
https://www.lawyer-kojima.com/contact/